日本建築協会が100周年を迎え、記念行事が行われました。
www.aaj.or.jp
その一環として100周年記念誌が出版され、これまで『建築と社会』誌で連載されてきた「モダンエイジの建築 -「建築と社会」を再読する-」が掲載されました。
小著も数本掲載されています。
またあらためて、詳細は記したいと思います。
平成のちゃかぽん 有斐斎弘道館 茶の湯歳時記
淡交社から『平成のちゃかぽん 有斐斎弘道館 茶の湯歳時記』が、出版されました。
伝統的な日本文化を現代に生かす活動を行っている「有斐斎弘道館」の茶会についての図書です。
弘道館の茶室と庭園の解説を担当いたしました。
弘道館の建築は一見さり気ないものですが、細部に着目すると、その材料や意匠にじつに興味深い工夫がなされています。時代背景や空間構成の変化なども興味深い点です。
数寄屋とはこういうもの、というお手本のような要素が内包されています。
本書を読まれ、あるいはじっさいに見学(要予約)されることをお薦めします。
意匠学会「デザイン理論」69号
昨年7月に意匠学会で発表した「数寄者高谷宗範の建築意匠について」が「デザイン理論」69号に掲載されています。
これまで発表してきた、ジェントルマンアーキテクト高谷宗範の建築について、これまでの研究に新たな知見を加え発表した内容についての梗概です。
擁翠亭
この度、擁翠亭保存会の代表に就任いたしました。
微力ではありますが、擁翠亭の維持・管理、調査・研究に尽力して参りたいと存じます。
どうぞよろしくお願い申し上げます。
擁翠亭保存会|太閤山荘
【趣旨及び目的】(擁翠亭保存会HPより)
「擁翠亭」は、江戸時代前期、加賀藩士で京の彫金師であった後藤勘兵衛(覚乗)の屋敷に建てられた、日本一窓の多い草庵茶室である。設計者は3代将軍徳川家光の茶の湯指南役であった小堀遠州(正一・政一)、遠州にそれを依頼したのは加賀藩主前田利常であった。この茶室には前田利常自身の好みが反映されていると考えられ、他所の茶室には見られない独自の意匠が随所に見られる。
室内には茶室の閉鎖性と茶屋のような開放感が同時に存在し、時に応じて陰から陽へと劇的に様相を変える。遠州の開放的な美意識「綺麗寂び」を体現する茶室といえよう。そのような歴史的茶室の保存・維持管理および、調査研究を進めることは、歴史的・文化的にとても重要なことである。
このたび、その「擁翠亭」を亭主宮下玄覇の私邸太閤山荘(京都市北区大宮釈迦谷10-37)に再組み立てしたことを契機に、擁翠亭保存会を立ち上げ、その貴重な茶室の維持・管理、調査・研究を主な目的とした活動を行う。日本文化の中心地たる京都において、それらの活動が、茶道文化の発展・啓蒙にも寄与することと考え、保存会が得た研究成果や情報については、希望者の請求に応じて随時提供してゆきたい。
松殿山荘 講演会
本日は、松殿山荘において、講演会が行われました。
タイトルは、「高谷宗範「茶室と庭園」をめぐって」ということで、これまでの研究の成果の一部をお話ししてきました。
研究のことだけになると、つまらないので、先般サンフランシスコで講演した近代建築における位置づけ、などもお話ししました。
こんなところからお話しを始めました。
日本建築学会 日本建築和室の世界遺産的価値特別調査委員会
日本建築学会の日本建築和室の世界遺産的価値特別調査委員会の委員に任命されました。
6月28日に第一回の委員会が行われ、出席して参りました。
www.aij.or.jp
委員会の設置目的は「・・・和室が国際的にも尊重すべき文化財として認知される状況を創出することを目的とする。」とあります。
和室は、世界的視点からみても非常に特異な形態です。一方で、近代建築、いわゆるモダニズムへの影響、あるいはモダニズムからの影響なども見られ、近代建築として、大きな役割を演じていたものでもあります。
もっとも、和室といっても、さまざまな側面があります。どのようにして「国際的にも尊重すべき文化財として認知される状況を創出する」かは、なかなか困難なことだろうと思われます。微力ながら尽力して参りたいと存じます。
日式茶室設計
小著『世界で一番やさしい茶室設計』 が台湾で出版されました。
www.books.com.tw
林書嫻という方が訳されました。
博客来(台湾のamazonのようなもの)には、私の紹介が以下のように出ていました。
少し面白い?のでpasteしておきます。
内容の紹介や「名人推薦」は何が書かれているかわかりませんが???、これだとおよそ読めました。
作者介紹
作者簡介
桐浴邦夫
1960年生於日本和歌山縣。就讀京都工藝纖維大學研究所碩士班時由中村昌生老師指導。東京大學工學博士。現職為京都建築專門學校第二部及傳統建築研究科教師及大學兼任講師。一級建築士、茶名宗邦。著書有《近代的茶室與數寄屋》(淡交社)、《近代京都研究》(合著,思文閣)、《民俗建築大事典》(合著,柏書院)、《茶之湯的銘大百科》(合著,淡文社)、《圖解木造建築事典》(合著,學藝出版社)等。論文有〈大正期的雜誌內刊載之茶室論點的走向——邁向現代主義的茶室論點研究〉、〈關於紅葉館與星岡——1880年代的數寄屋〉等。