建築 と 茶の湯 の間

桐浴邦夫(KIRISAKO Kunio)の備忘録 茶室・数寄屋・茶の湯・ヘリテージマネージャーのことなど

「数寄者高谷宗範の建築意匠について」

京都精華大学で行われた第58回意匠学会大会で「数寄者高谷宗範の建築意匠について」と題して発表して参りました。
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高谷宗範の代表作松殿山荘、芝川邸の茶室などについて述べ、武田五一の芝川邸洋館(現明治村)の床の間の幅や床柱の変更に宗範が関与している可能性に言及しました。そしてその著作からジェントルマンアーキテクトである宗範の建築に対する考え方を読み解き、松殿山荘が近代における和風建築の新たな展開を模索するものとして、藤井厚二が大山崎に実験住宅を建てたことに準え、壮大な(様式の)実験建築として建てたもの、との結論を呈示しました。
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