京都市文化観光資源保護財団の見学会、都ホテル佳水園の講師を務めました。
はじめに都ホテルの葵殿にて講義を行い、それから庭園と佳水園の見学を行いました。
数寄屋は自然との関わりの深い建築ですが、近代になって西洋の建築家たちが注目するようになりました。一般に西洋では石造建築の歴史が長く、基本的には厚い壁に小さな窓の構成で、外部空間と内部空間が明確に区切られて参りました。しかし近代に入り、薄い壁に窓を広くとった建築が多くなりました。そこで注目されたものの一つが日本の数寄屋建築です。そしてさらに面白いのは、日本人の建築家たちが、それを察し、数寄屋に対する注目をさらに深めたことです。村野藤吾もその一人でした。
佳水園の興味深い点は、日本の伝統がモダンな要素として組み立てられているところが挙げられます。
薬医門の変形ともいえる門構え。控柱が表に立ちます。
佳水園玄関、障子がロシア構成主義的にまとめられています。
撮影はいずれも2008年
四君子苑と東華菜館の見学会
CLUBTAPの主宰する見学会の講師を務めました。行き先は四君子苑と東華菜館。
まずは京都府立文化芸術会館において、吉田五十八と四君子苑についての簡単な講義を行ってから、四君子苑に参りました。今年だけで二度目の見学となりますが、今回も整備の行き届いた美しい建物と庭を拝見することができました。
私が訪れたのは午前中でしたが、午後から竹中大工道具館主催の見学会があるとのことで、担当者やその講師の今里隆さん(杉山隆建築設計事務所所長、吉田五十八の元で四君子苑を担当された)にもお目にかかることができました。今里さんからは短時間ではありましたがお話をうかがうことができました。
午後からは、昼食を兼ねて東華菜館の見学をしました。ヴォーリズ設計のこの建物は、これまでに何度か訪れたことがありますが、見れば見るほどさまざまな要素(様式)が混ざり合って、様式建築の勉強にはもってこいの建物だと感じました。
正面の装飾はスパニッシュバロック
写真は2003年に撮影したもの
京都府建築士会伝統建築研究会見学
京都府建築士会で発足した伝統建築研究会の見学会で裏千家住宅を訪れました。
じつは8/20に勉強会として予習を行いました。
そのとき裏千家の概要と主な茶室の見どころをお話ししました。
今回は私にとっても久しぶりの訪問でしたが、毎回あらたな発見があります。
幕末から維新にかけて家元であった玄々斎という方は、デザイナーであり大変なアイデアマンであったんだと再認識しました。
展覧会図録『数寄屋大工』
竹中大工道具館巡回展『数寄屋大工―美を創造する匠―』展覧会図録が出版されました
http://www.dougukan.jp/sukiya/index.html
拙稿「数寄屋小史」「近代における数寄屋の展開と大工」が掲載されています。
以前コンフォルト100号で作製した茶の湯のダイアグラムを加筆修正したものも掲載しています。
展覧会は以下の予定です。(詳しくは上記ウェブサイトをご覧下さい)
■東京会場:Gallery A4 東京都江東区新砂1-1-1 竹中工務店東京本店1F
2012年8月20日(月)〜9月29日(土)
■神戸会場:竹中大工道具館 兵庫県神戸市中央区中山手通4-18-25
2012年10月6日(土)〜11月18日(日)
■名古屋会場:産業技術記念館特別展示室 名古屋市西区則武新町4丁目1番35号
2012年11月23日(金)〜12月28日(金)